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この記事を読んでいるということは、あなたも天然パーマなのでしょう。
私も天然パーマです。
父はややクセ毛。母もややクセ毛。兄もややクセ毛。
少しウェーブがかかるぐらいです。
しかし私は天然パーマ。
何もしなければ前髪が2回転半します。フィギュアスケートならばダブルアクセル。
幼き頃、母に尋ねたことがあります。
「なんで僕の髪の毛は天パなの?お父さんもお母さんも天パじゃないのに」
母は答えました。
「お父さんもお母さんも昔は天パだったけど、二十歳頃になったら治まったのよ。あんたも二十歳になったら治まるよ」
私は喜びました。しかし、それと同時にひとつの疑問が沸き上がりました。
「でも、二十歳になっても治らなかったらどうなるの?」母は答えました。
「そうだねぇ。髪の毛がクルクルしてるからねぇ。きっと可愛い大人になるねぇ」
20代も後半にさしかかった今、僕の髪の毛は元気に渦巻いています (Oh my God)。
僕は可愛い大人になってるかな?(足の臭いおっさんやで)
ああ天然パーマを憎まずにおられよか (ソレカラドーシタ)。
もう本当に鬱陶しい。
天然パーマを誇ってなんかいない。
毎日ヘアアイロンで髪の毛を引っ張っている。
街に出る時はエセストレート。
坊主にする勇気もなく。
毎日自分を偽っている。
だってくるくる髪が巻いているだけで15歳は見た目年齢が上がる。
ヘアアイロンが神様に思える。
それでも夏場は最悪。
すこし汗をかくと、その水分で髪が巻き始める。
帰る頃には15歳ほど年をとってる。
ああ。
縮毛矯正は文明の勝利。
だけども一週間もしたら根本がうねり始めてカッパみたいな髪型になる。
早くも天パが逆転勝利。
ああもうなんでこんなウネウネしてんだ。
まるで陰毛が生えてるみたい。
何が悲しくて体のてっぺんにアンダーヘアを生やさにゃならんのだ。
薄毛の人とどっちがいいんだろう。
天パにヘアアイロンがあるように、薄毛の人にはカツラがある。
どっちにしたって、自分を偽るか、さらけ出すかしかないのかな。
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直毛の皆さん。軽々しく「いやークセ毛が羨ましいわ、色んな髪型にセットできるじゃん?俺なんかパーマあててもすぐ戻るもん」なんて言ってはいけない。
なんかうまい例えが見つかんないけどさ、直毛のあなたをハヤシライスとしよう。あなたは天然パーマにこう言う訳だ。「いやーカレーが羨ましいわ、カツカレーとかシーフードカレーとか色んな食べ方あるじゃん?ハヤシライスはだいたい単体で出されるもん」
黙れ直毛。俺たちはカレーなんかじゃない。うんこだ。
必死で見た目を取り繕ってもくせぇしそもそも人様の食いもんじゃねぇんだ。ハエばっかたかってくるんだ。
スーパーで買い物してただけで髪の毛にハエが絡まってた俺の気持ちがわかるか?
一緒にいた友達に「これがホントのハエ取り髪」って言われて笑われた俺の気持ちがわかるか?
ちくしょう上手いこと言いやがって!面白いじゃんか!もう!
もう!
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さあ明日もヘアアイロンで髪の毛を引っ張ろう。
だけど梅雨入りしましたね。自分の汗と雨の湿気により、行きの電車でもうヘアアイロンの魔法は解け始める。それだけで無性にイライラする。梅雨時の天パは手負いの獣のように殺気立っているから気を付けて。
直毛の皆さん。天然パーマの髪の中では、このような思いが渦巻いていることを忘れてはいけない。
今週のお題「雨あめ降れふれ」